中居正広「第三者委」開示再要求へ。ポリコレやミートゥーで叩きまくる流行病、その感染力はコロナ以上だった!【宝泉薫】
「令和の怪談」ジャニーズと中居正広に行われた私刑はもはや他人事ではない(3)【宝泉薫】

というわけで「ポリコレ」や「ミートゥー」といった芸能にはもっぱら有害な流行が、本来この手の騒動には無関心だった層まで調子づかせたこと、スキャンダルの負け組を叩く快楽に目覚めた大衆が飛びついたこと、さらにはここ数年、事務所と対立するかたちとなったタレントのファンが反ジャニーズに回ったことで、四面楚歌みたいな状況に陥ったと考えられる。
そんな動きの根底にある心理が「恨み」と「妬み」そして「気持ち悪さ」だろう。何よりわかりやすいのは、帝国とまで呼ばれたジャニーズに煮え湯を飲まされてきたメディアの「恨み」や独立して干されたタレントのファンの「妬み」そして、少年への同性愛に対する「気持ち悪さ」だが、他にもいろいろある。たとえば、この騒動において、フェミや野党といった勢力が場外から参入したにもかかわらず、そういう勢力を嫌っているはずの保守系の男性文化人までもが一緒になって叩いたりした。詳しくは別の回で述べるつもりだが、そこには多くの日本人男性がジャニーズに抱く、容姿と運動神経に恵まれた若者への「妬み」が働いていた気がするのだ。
まさに「お気持ち」によって「死者」が犯罪者にされ、そこに連なる「生者」たちが「連座」というかたちで今なお迫害され続けているのがこの騒動といえる。何しろ、擁護的な声を上げただけで、犯罪に加担したかのような扱いをされる人までいたのだからーー。
そのあたりについて書いたのが『山下達郎やデヴィ夫人にもいちゃもんをつけた、ジャニーズ憎しの「ジャニーガー」たちがそれを「忖度」だと思い込む理由』という文章だ。ここで紹介した「擁護的な声」というのは、こういうものである。
「ジャニーさんの功績に対する尊敬の念は今も変わっていません。私の人生にとって一番大切なことは、ご縁とご恩です。ジャニーさんの育てた数多くのタレントさんたちが、戦後の日本でどれだけの人の心を温め、幸せにし、夢を与えてきたか」(山下達郎)
「ジャニー氏が亡くなってから、我も我もと被害を訴える人が出てきた。死人に鞭打ちではないか。本当に嫌な思いをしたのなら、その時なぜすぐに訴えない。代わってジュリー氏が謝罪も済ませているのに、これ以上何を望むのか」(デヴィ夫人)
ただ、デヴィ夫人の場合は、3ヶ月後に手のひらを返してしまった。

「過日 私はジャニー喜多川氏について庇護する発言をXに表明致しましたが、さまざまな報道で私の全く知らない喜多川氏の愚行を知り、驚きと共におぞましく感じました。以前の発言を撤回させていただくと共に、私の発言により傷ついた方、怒りを覚えた方に心より申し訳なく思います」
このコメントの説明をそのまま受け取ることも可能だが、何らかの圧力が働き、また、彼女自身もジャニーズ劣勢の状況を見て、アンチ側に寝返ったと見ることもできる。そもそも、デヴィは赤坂のクラブホステスからインドネシア大統領の第三夫人となったあと、夫の失脚でフランスに亡命、紆余曲折を経て日本のセレブタレントに、という経歴を持つ。生き残るためなら空気も読むし、勝ち馬にも乗るという「政治家」的な処世術の人なのだろう。
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